旧世代おたく絶滅危機?!一般社会から生まれた新世代おたくが激増!





どんな世界でも旧世代と新世代の対立というのはある。
だが我々おたく社会では今まであまり目立った世代対立はなかった。
変わったのは最近だ。世の中に「大人がアニメを見ても恥ずかしくない」という風潮が生まれてからだ。

最近では自治体のパンプレットや電車の車体にまで萌えアニメの絵柄がプリントされる状況になった。
世界が認める文化として成長した日本のアニメ産業を日本人が認めないでどうする!というわけである。
だがこれは諸刃の剣であった。あまりにも一般化しすぎたためアニメに対する愛情や知識が薄い一般人までちょっとアニメを見ただけでオタクを自称するようになったのだ!いわゆるニュータイプ(新世代)の誕生である。これを苦々しく思う一部の旧世代おたく達は自分の殻に閉じこもり「オタク・イズ・デッド」とつぶやきながらファーストガンダムやイデオンなど古い作品ばかりを見返すようになったという。深刻な世代対立の幕開けである。

ある日いつものように僕はメイド喫茶xyz(仮名)のテーブル席で他の常連客と今季の新アニメについて熱い議論を交わしていた。
「やっぱり今年度の最終クールは続編ばかりで新鮮味がないでござるな~」
「さようでござるなあ」とクールに議論していると近くのテーブルに若いおたく達が座った。
盗み聞きするつもりはなかったが会話が聞こえてきた。
「あのさ~俺さ~一番好きなアニメはユーフォニアムなんだ~」
「うわ~!君はやっぱりオタクだね~!俺はくまみこだな~」
「どっちもいいよね~」
どうやらこの若者達は萌えアニメについて議論しているようだ。だが彼らの言葉遣いを耳にして我々は警戒感を募らせた!
「あの連中、語尾にござるをつけていないでござるな」と、常連のケイタさんが僕に顔を近づけ小声で囁いた。
「うむ。やつらさては・・・」
「ニュータイプ!」
さらに彼らの話に聞き耳を立てた。
「あのさ~萌えアニメの最高傑作ってなにかな~」
「そりゃあ『君の名は。』じゃないかな~。興行成績すごいらしいしぃ~」
(こ、この連中・・・ぬるい!)そう思いながらしばらく黙って聞いていたが遂にケイタさんが立ち上がった!
ツカツカと彼らのテーブルに歩いて行くケイタさん。新世代おたくに鉄槌を下すつもりなのか?!
ケイタさんは紳士的に話しかけた。
「失礼。話は聞かせてもらったでござるよ」
それを聞いた若者たちは笑いだした。
「ギャハハ!今時『ござる』はないっしょ!おじさん忍者?」
「ぐぬぬ」予想外の反応をされて言葉につまるケイタさん。
「この言葉遣いはアキバの標準語でござるよ!ほんの一時期で廃れたが俺妹の沙織が使ってからまた標準語に復帰したでござる!」
ハァハァと息を荒くしたが気を取り直してさらに言った。
「先程から話は聞かせてもらったでござる。お主たち、萌えアニメの最高傑作はミンキーモモでござろう」

若者たちは顔を見合わせて言った。
「ミンキー・・・?え?なにそれ?お前知ってるか?」と、連れに問いかける若者。
「さあ。俺オタサーの姫と共通の話題になりそうな作品しか見ないから」
ケイタさんが歯ぎしりしながら食い下がる。
「おたくのくせにミンキーモモを知らないとはどういうことでござるか!二度もテレビアニメになった永遠の名作でござるよ!しかも二代目はあの人気声優林原めぐみ閣下が主役でござる!」
だがやはり若者たちの反応は鈍い。
「声優の林原・・・?おい、お前知ってるか?」
「さあ、声優の名前なんて一々覚えてるわけないっしょ」
「だよね~。ゲラゲラゲラ」
ケイタさんは真っ赤になって怒った。
「お、お主たちはそれでもオタクでござるか!」
「ハァ?だって生駒里奈だって自分の好きなワンピースの声優言えなかったじゃ~ん」
いきなり横浜弁になった。オタキングみたいだ。
若者の連れが助け舟を出した。
「そうだよね~。声優の名前なんか知ってる奴より痛車に乗ったり学生服の下に萌えキャラのTシャツ着て学校に行く方が濃いおたくだよね~」
「も、もう結構!吾輩これで失礼するでござる!」
ケイタさんは怒って店から飛び出して行った。自分の飲み食いの支払いをせずに。
ケイタさんの支払い分が若者たちの会計に上乗せされたので彼らは激怒した。

おたく世界の世代対立が深刻化してきた。