岡田斗司夫の評論の魅力は「早い・安い・うまい」





僕がいつものようにメイド喫茶xyz(仮名)に行くとメイドのキャサリンちゃん(仮名)が話しかけてきた。
「あっ、ご主人様。実は新メニューの試作をしていた所なのよ。お代はサービスするからちょっと食べて正直な感想を聞かせて下さらないかしら?」
僕は重々しく頷くと和服に着替えて腕組みをし新メニューが出てくるのを待った。
なかなか出てこない。イライラしてきた。いつもなら他の常連客との雑談に夢中で料理が遅くても気にならないのだが今日に限って知り合いがいない。みんな先日のバレンタインデーの敗北感から立ち直れず自宅で寝込んでいるのだ。
1時間以上待たされてようやく新メニューが運ばれてきた。

牛丼だった。
一口食べて箸を置いた。
カウンターの奥から料理を作ったマスターとキャサリンちゃんが凝視している。僕は怒鳴った!
「これを作ったのは誰だ!板前を呼べ!」
「ヒッ!」とマスターが息を呑み怯えたように僕の前にきた。
「あ、あのぉ~。この新メニューいかがでしょうか」とマスター。
「ほほう。これを調理したのはお主か。で、このメニューの名前は?」
「は、はい。『打ち切り牛丼』という名前にしようかと!」
「ほほう。その心は?」
「ほら、アニメって名作ほどすぐ打ち切られて終わっちゃうでしょ。ルパン三世やヤマトの最初のとか。で、牛丼は早さが命だからお客さんがすぐ食べ終わって回転率が上がるようにという願いを込めて・・・」
「バカモーン!」僕の怒りが爆発した!
「牛丼の早さの魅力とは客が食べる早さではなく、注文から客の前に出てくるまでが『早い』のだ!お主の牛丼が出て来るまでどれだけ私が待ったと思っておるのだ!」
「ひぃ~!す、すみません!」
あまりいじめても可哀想なので店を出ることにした。するとマスターが泣きながら助けを求めてきた。
「サスケさん待ってよぉ~!もっとアドバイスちょーだい!早さ以外に何かこの新メニューに注意点はないのかい?」
僕は答えを直接言わずヒントだけ与えることにした。
「この打ち切り牛丼が成功する秘訣・・・それはオタキングの評論の魅力と同じでござる!」
僕は店を出た。

閉店後マスターとメイド達が経営会議を開いた。
「サスケ君の言っていたオタキングの評論の魅力ってなんだろう?」
「論より証拠よ!オタキングのニコ生を見てみましょう!」
ちょうど日曜の夜だったのでパソコンから流れるオタキングのニコ生。
キャサリンちゃんが叫んだ!
「あっ!早い!オタキングの喋りはとても早口よ!」
マスターが頷いた。
「うむ。まずひとつ目の魅力は『早い』だな」
やがて放送が見れなくなってしまった。
「あら、無料放送は前半だけみたい。後半は有料ですって!」
「仕方ない。金を払おう。いくらかな?」
「まあ!月額たったの540円ですって!安いわ!」
「そうか!サスケさんの言っていた魅力はこれか!オタキングの二つ目の魅力は『安い』だ!」
その時画面の中のオタキングがダジャレを言った。マスターが「上手い」と叫んだ。
キャサリンちゃんが叫んだ。「それよ!」
マスターが頷いた。こうしてオタキングの3つの魅力「早い」「安い」「うまい」に気づいたマスターはその魅力を新メニューに取り入れたのだった。
だがメイド喫茶で牛丼を注文する客はおらず新メニューは一ヶ月で廃止されたという。

やっぱりすごいぞオタキング!